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富良野塾巣立った375人…体験問う倉本さん(読売新聞)

 2010年春の叙勲受章者のうち、旭日小綬章を受章した宇野亜喜良さん(76)、倉本聰さん(75)に喜びを聞いた。

 ◆普通の人の視点で◆

 北海道富良野市を舞台に、「北の国から」「風のガーデン」など、土のにおいのするドラマを世に送り出してきた。

 東京都出身。ラジオ局勤務を経て、1963年にシナリオ作家として独立した。だが、77年、生活拠点を富良野に移す。「人間の<原点>を見たい」との思いからだった。東京では、交際の範囲もテレビ局関係者など利害関係のある人ばかり。脚本を書くにも、「売れそうな主題ばかり探していた気がする」と振り返る。

 「ドラマは人の心を揺さぶるもの」。真冬には氷点下20度にもなる厳しい自然の中で、人は何を考え、どう暮らすのか。根底には、そんな「普通の人」の視点が流れる。

 26年前、私財を投じて開いた「富良野塾」でも、「生きる」「暮らす」といった視点を伝えてきた。4日の閉塾までに巣立った脚本家や俳優は375人に達する。最近、インターネットの普及などで人々の「体験」が希薄になったと感じる。「便利さと豊かさを混同していないか」。それを問うことがこれからのテーマという。

 ◆甘美な作品の宇野さん、舞台芸術にも力点◆

 甘美で幻想的な作風を持ち味に、挿絵や本の装丁、舞台美術などを手がける。

 「印刷や映像で複製されて目に触れる部分が多い。大衆性があるだけに、芸術的にはちょっと後退して見られるのかな、と思っていた」と、11年前の紫綬褒章に続く栄誉を喜ぶ。

 名古屋市生まれ。地元高校の図案科を卒業し、広告のデザイナーとして活躍後、1960年代に故寺山修司主宰の劇団「天井桟敷」の舞台美術、ポスターで注目された。新聞や雑誌の連載小説の挿絵でもおなじみで、時代小説からハードボイルドまで幅広くこなす。近年は作品集の出版も相次いでいる。

 演劇の仕事では舞台装置の図面を渡すだけでなく、けいこ場にも足を運ぶ。資金のない劇団のために、片隅で急いで背景を描く時も。「むしろ若い時より体力を使うが、それが出来ることが楽しい。2回くらい、ぎっくり腰をやっちゃいましたけどね」と笑う。

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